RTD飲料とは?市場拡大の背景や人気の理由、飲食店が導入するメリットも解説!

「RTD飲料」という言葉を聞くと、なかには「そもそもRTD飲料って何?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

RTD飲料は近年市場が拡大しているため、特に飲料を開発・提供する側なら詳しい知識を身に付けておくことをおすすめします。

本記事では、RTD飲料の概要や市場拡大の背景、人気の理由などを紹介します。飲料メーカーがRTD飲料の開発・製造を行うメリットやコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。



RTD飲料とは

RTD飲料とは「Ready to drink (レディ・トゥ・ドリンク)」の略称で、「すぐに飲めるもの」を意味します。

具体的には、栓を開けてから何の手も加えず、そのまますぐに飲めるアルコール飲料をさすことが多いです。

例えば、以下のように本来は混ぜて作るお酒がそのまま飲める形で提供される場合は、RTD飲料に該当します。

  • 缶チューハイ
  • 缶ハイボール
  • 瓶カクテル など

飲む際に手間がからない点は大きなメリットで、比較的安価で販売される商品が多数あるのも人気の理由です。


RTS飲料との違い

RTD飲料と似た言葉に「RTS飲料」があります。RTS飲料とは「Ready To Serve(レディ・トゥ・サーブ)」の略称で、「注いで飲むもの」を意味します。

具体的には、氷を入れたグラスに注ぐだけですぐ飲めるアルコール飲料をさすことが多く、炭酸水やジュースなどで割る場合もあります。

例えば、以下の飲料がRTS飲料に該当します。

  • レモンサワーの素
  • お茶ハイの素
  • 濃縮カクテル など

RTDとRTSの違いをまとめると、以下のとおりです。



RTD飲料の市場規模

RTD飲料の市場は、2007年より14年連続で拡大しています。2022年は前年割れしましたが、今後も流入が見込めるでしょう。

その理由は、2023年の酒税法改正により第3のビールが増税となったことで、コストパフォーマンスを重視して第3のビールを購入していた層が、税率が変わらないRTD飲料に流入する可能性があるからです。

ビール・発泡酒・第3のビール・RTDの酒税の変化(350ml換算)は、以下のとおりです。

ビールや発泡酒を含むお酒の種類について気になる方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

▶関連記事:お酒の種類を一覧で紹介!基礎知識を初心者にもわかりやすく解説



近年RTD飲料の市場規模が拡大した背景

前述のとおり、2023年10月1日の酒税法改正によって、RTD飲料の需要は増加すると考えられます。その他にRTD飲料の市場規模が拡大し続ける背景は、以下の2つです。

  • レモンRTD飲料がブームとなった
  • ノンアルコールRTD飲料の需要が増加した

RTD飲料の開発や販売を検討している方は、ぜひ背景を押さえておいてください。


レモンRTD飲料がブームとなった

RTD飲料市場が拡大する理由のひとつに、レモンRTDの市場拡大が挙げられます。

サントリーホールディングス株式会社の調査によると、2021年のRTD市場は2億7,451万ケース(対前年107%)で、そのうちレモンフレーバーが占める割合は1億4,475万ケース(対前年117%)でした。つまり、レモンフレーバーはRTD飲料市場の約半分を占めていると考えられます。

また、自宅で飲むことがあるRTDフレーバー、好きなRTDフレーバー、1年前と比べて自宅で飲みたい気持ちが強まったRTDフレーバー、全てで「レモン」が第1位を獲得しています。

レモンRTD飲料を飲む理由の第1位は「飲み飽きない」、そして「飲みやすそう」が続きます。食事とマッチしやすい味わいであることも市場拡大の理由です。


ノンアルコールRTD飲料の需要が増加した

ノンアルコールRTD市場の伸びも、RTD飲料市場拡大の背景のひとつです。2022年のノンアルコールRTD市場は、対前年比116%の1,095万ケースでした。

最初はビアテイストの商品が主流でしたが、近年は様々な種類が登場し、味・度数・価格など、好みに応じて選べるようになりました。

また、ノンアルコールRTD飲料は、食事とともに楽しんだり気分転換をしたりなど、多彩な楽しみ方があることが特徴です。ビールの味が苦手な人でも飲みやすいフルーティな味わいが多いのも強みでしょう。

近年は、健康意識の高まりを背景にノンアルコール飲料を好む人が増加しています。ノンアルコールRTD飲料のなかにはアルコール飲料と変わらない味わいを追求した商品も多く、本格的な味わいが楽しめます。



RTD飲料が人気を集める理由

栓を開けるだけで気軽に飲めるRTD飲料が人気を集める主な理由として、自宅で飲みやすく、比較的安価に買える商品が多いことが挙げられます。

  • 「宅飲み」とマッチする
  • 低価格の商品も多いため気軽に飲める

以下で、さらに詳しく解説します。


「宅飲み」とマッチする

新型コロナウイルスの流行後、自宅での「宅飲み」需要が増加しました。「宅飲み」には、帰りの電車の時刻を気にする必要がない、自宅でリラックスして飲める、動画配信サービスやゲームと一緒に楽しめるなどのメリットがあります。

そんななか、RTD飲料は、宅飲みやオンライン飲み会などでも手軽に取り入れやすい飲み物として需要が高まりました。

RTD飲料は、種類豊富で様々なジャンルの料理と相性が良く、量も多すぎない点が魅力です。

例えば、700mlほどあるウイスキー瓶を1本飲み切るのは大変ですが、1本350mlのRTD飲料であれば、味を変えて2本買うなど気軽に様々な楽しみ方ができます。


低価格の商品も多いため気軽に飲める

缶チューハイや缶カクテルなどのRTD飲料は、ビールより安く買える商品も多数存在します。

1本(350ml)買う場合、ビールの価格は200円を超えるのが一般的です。一方、RTD飲料は100円台のものも多く、商品によっては100円以下で買える場合もあります。

このように低価格で買えて自宅で気軽に飲める点が、消費者のニーズに適しています。



RTD飲料の開発や製造のヒントを知りたい方は「ドリンクジャパン」へ

飲食メーカーがRTD飲料の開発・製造を行う場合は、幅広い知識をつけ、商品同士を比較検討する必要があります。実際に原料や設備を見たいなら、「ドリンクジャパン」への参加がおすすめです。

「ドリンクジャパン」は、飲料・液状食品に関する技術が出展する展示会で、多数の企業が新製品・新技術を出展します。展示会では、RTD飲料の開発・製造に活用できる原料や設備を実際に試飲および目で見て確認でき、新しい発見や課題解決のヒントを得ることができます。また、同時開催のセミナーでは、業界の最新情報を入手することも可能です。

WEBから事前に来場登録さえすれば無料で入場できます。

出展者と来場者の間で具体的な商談も行われるため、出展者側にもメリットがあります。

例えば、設備導入を検討しているメーカー、新商品のヒントを得たいメーカーなどに、自社商品のアピールが可能です。また、活発な商談が行われるため、新規顧客獲得につながりやすいのも大きなメリットでしょう。

出展スペースには限りがあるため、早めの申し込みがおすすめです。

ドリンクジャパンの詳細は以下のとおりです。

■ドリンクジャパン



飲食店でRTD飲料を導入すれば幅広いターゲットにアピールできる

RTD飲料とは、栓を開けてそのまま飲める手軽なドリンクのことです。レモンRTD飲料やノンアルコールRTD飲料の需要拡大により注目を集めています。

新型コロナウイルスをきっかけに、帰る時間や交通手段などを考える必要がなく、自宅でリラックスして楽しめる「宅飲み」の需要が高まりました。RTD飲料は、そんな場面で気軽に取り入れやすいことも人気の理由のひとつです。

RTD飲料を飲食店で導入する場合、リーズナブルかつ種類が豊富なので、幅広いターゲットの獲得が期待できるでしょう。

RTD飲料の開発・製造を検討しているなら、飲料関連企業が集まる展示会に参加して、飲料業界の最新トレンドを知ることも大切です。





▶監修:ストロングおじさん

缶チューハイ研究家
年間1,000本の缶チューハイを飲む缶チューハイ研究家。得意のパワポを駆使し、新製品のレビューから企業の製品開発・プロモーション企画の支援まで手がける。缶チューハイのみでなく、ビール類・スピリッツを中心に酒類全般に精通。



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