エナジードリンクの効果は?栄養ドリンクとの違いや配合成分を解説

エナジードリンクには覚醒作用や興奮作用があり、活力を高めたい時や集中したい時に好んで飲まれる飲料のひとつです。

栄養ドリンクとの類似点もありますが、配合成分や飲料としての分類などが異なります。

本記事ではエナジードリンクとは何か、栄養ドリンクとの違いや飲むことで期待できる効果、成分や飲む時の注意点を解説します。エナジードリンクに興味がある方や、開発・製造を検討している企業の方は参考にしてください。




エナジードリンクとは?

現在、日本ではエナジードリンクの明確な定義・基準は定められていません。エナジードリンクとして販売されている飲み物は「清涼飲料水」に分類され、カフェインやアミノ酸、ビタミンなどを含みます。

エナジードリンクの多くは、カフェインによって頭をすっきりさせたり、糖類による栄養補給で活力を高めたり、炭酸や味の爽快感で気分をスッキリさせたりする飲料です。

エナジードリンクは世界的に市場規模が拡大しており、今後も需要が期待されています。



エナジードリンクと栄養ドリンクの違い

栄養ドリンクも活力が欲しい時に飲む人が多い飲料ですが、エナジードリンクとは主に配合成分や分類、販売場所が異なります。

配合成分や分類、販売場所に分けて、エナジードリンクと栄養ドリンクの違いを解説します。


違い①配合成分

栄養ドリンクは効果が認められた有効成分を配合しているため、認められた範囲での効能・効果を表記できます。同時に、服用量が明確に定められている点も栄養ドリンクの特徴です。

一方、エナジードリンクは医薬品・医薬部外品とは異なる食品です。「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に掲載されている成分は配合自体できない他、飲用による具体的な効能効果についても広告・表記はできません。例えば、配合できない成分にはタウリンなどが該当します。

エナジードリンクは栄養ドリンクとは異なり、摂取制限の決まりがない嗜好品です。ただし、カフェインを多く含むだけでなく糖分も入っているため、過剰摂取で健康を害する恐れがある点は注意しましょう。


違い②ドリンクの分類

含まれる成分の違いから、栄養ドリンクは医薬品または医薬部外品、エナジードリンクは清涼飲料水に分類されます。

分類が違うため、製造販売に必要な許可や求められる条件も異なります。

飲料を製造販売する際は、分類ごとに必要な許可、求められる条件を確認しましょう。


違い③販売できる場所

医薬品に該当する栄養ドリンクは、薬剤師や登録販売者がいない場所では販売できません。スーパーやコンビニなどで手軽に購入できない飲料です。医薬部外品の栄養ドリンクは、薬剤師や登録販売者がいない店舗でも販売できます。

一方、清涼飲料水に分類されるエナジードリンクは、薬剤師や登録販売者がいない店舗でも販売可能です。



エナジードリンクの配合成分と効果

エナジードリンクに、はカフェインや糖質をはじめ、様々な成分が含まれています。成分の内容や含有量は商品ごとに異なるため、求める効果に応じたエナジードリンクを選びましょう。

含まれる成分と効果を以下で解説します。


カフェイン

カフェインは、スッキリ感が得られる成分です。エナジードリンクを飲んだ時に得られるしゃっきりした感覚は、カフェインの影響が大きいとされています。

ただし、カフェインは過剰に摂取すると動悸や下痢、不安、不眠症状をもたらす可能性がある成分です。コーヒーやお茶よりもカフェイン含有量が多いエナジードリンクもあり、過剰摂取への注意が呼びかけられています。


糖質

糖質は脳や筋肉を動かすためのエネルギー源であり、疲労回復に必要な成分です。エナジードリンクは糖質も多く含み、効率よくエネルギー補給できます。

ただし、糖質は消費量以上に摂取すると体に蓄積され、肥満や生活習慣病を引き起こすため注意しましょう。


アルギニン(L-アルギニン塩酸塩)

アルギニンはアミノ酸の一種で、疲労回復時に使用されます。明確な摂取量の目安は定められていませんが、過剰摂取には注意したい成分です。

カフェインの覚醒効果を高める効果もあるため、カフェインとともにアルギニンを含むエナジードリンクも数多く存在します。


ビタミンB群

ビタミンB1・B2・B6・B12などはビタミンB群と呼ばれ、エネルギー代謝を助け、疲労回復に必要な成分です。ビタミンB群の主な効果は下表のとおりです。

糖質はエネルギー源となる成分ですが、ビタミンB群が不足するとエネルギーへの代謝がスムーズに行われません。摂取した糖質がエネルギーとして使われないと疲労回復につながらないため、ビタミンB群も重要な成分です。


ビタミンC

ビタミンCはコラーゲン生成や、皮膚だけでなく、骨や血管などの細胞にも必要な成分です。

ビタミンCが不足すると疲労感や倦怠感を覚えるため、健康的な生活のためにも摂取したい成分です。


クエン酸

クエン酸は疲労物質を分解に使用される成分です。運動後の疲労回復時やミネラルの吸収を助けるため、エナジードリンクにも含まれています。

酸味を感じる成分でもあるため、さっぱりとした味の飲料に仕上げるためにも使われます。


イノシトール

イノシトールは栄養補給のための成分です。

かつてはビタミンB群の一種として扱われていましたが、現在は「ビタミン様物質」に分類されています。



エナジードリンクを飲む時の注意点

エナジードリンクを飲む時は、以下の点に注意しましょう。

  • 過剰に飲まない
  • カフェインの影響を受けやすい人は飲まない
  • 他のカフェインを含む飲料と併用しない
  • アルコールと同時に摂取しない

医薬品とは異なり摂取に関する定めはない飲料ですが、飲み方によっては健康に悪影響を及ぼすため注意が必要です。


過剰に飲まない

エナジードリンクはカフェインを多く含むため、毎日飲んだり、1日に何本も飲んだりすると、健康に悪い影響を与えます。

カフェインを多く摂取すると、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気、嘔吐などを引き起こす可能性があります。長期的なカフェイン摂取は高血圧リスクが高くなる可能性もあるため、飲むシーンは限定しましょう。

また、エナジードリンクはカフェインだけでなく糖質が多い商品もあります。飲み過ぎると消費されない栄養が体に蓄積され、生活習慣病につながる恐れが指摘されています。


カフェインの影響を受けやすい人は飲まない

エナジードリンクは先述のとおりカフェインが多いため、カフェインに敏感な人や子ども、妊娠中・授乳中の人は飲んではいけません。妊婦がカフェインを摂取すると、胎児への影響も懸念されています。

また、内服薬のなかにはカフェインが薬の効果に影響する場合もあるため、服薬時にはエナジードリンクを飲むことを避けましょう。


他のカフェインを含む飲料と併用しない

カフェインを含む飲料は、エナジードリンクだけではありません。コーヒーや抹茶、紅茶など、身近な飲料にもカフェインは含まれています。

エナジードリンクと一緒に他のカフェインを含む飲料を摂取すると、過剰摂取につながるため併用は避けましょう。


アルコールと同時に摂取しない

エナジードリンクに含まれるカフェインが、アルコールの過剰摂取を引き起こすとの指摘があるため、同時摂取は避けましょう。

カフェインの覚醒効果でアルコールを摂取しても酔っていないと錯覚し、お酒を飲み過ぎる恐れがあります。



エナジードリンクの開発・製造ヒントをお探しであれば「ドリンクジャパン」へ

エナジードリンクや栄養ドリンクの開発・製造を考えるなら、原材料や製造機器、最新トレンドなどの情報収集が必要です。最新情報を効率よく収集したいなら、展示会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

飲料・液体食品に特化した展示会「ドリンクジャパン」には、関連企業が数多く出展し、会場内で商談もできます。展示会は、来場登録すれば無料で入場でき、飲料の開発・製造に必要な情報収集が可能です。エナジードリンクの開発・製造に関する情報を集めたい方は、ぜひご来場ください。

また、出展者と来場者の間で具体的な商談も行われるため、飲料の開発・製造に関わる商材を扱う企業の場合は、出展すれば自社製品をPRでき、新規リードを獲得できます。

来場、出展ともにメリットがあるため、気になる方はぜひご参加ください。

■第9回 ドリンクジャパン
 2024年11月20日(水)~22日(金)



エナジードリンクの効果を理解した上で、適量を飲む心がけを

エナジードリンクは世界的に市場規模が広がるなど、今後も需要が期待される飲料です。エナジードリンクの効果は、カフェインや糖質、ビタミン、アルギニンなどの成分により引き起こされる作用です。

活力が欲しい時や集中力を高めたい時に好まれ、需要が見込まれる飲料ですが、エナジードリンクの過剰摂取には問題があると指摘されています。

また、エナジードリンクは栄養ドリンクと似ていますが、エナジードリンクでは配合できない成分もあり、成分や飲料の分類などが異なります。

手軽に飲める飲料ですが、エナジードリンクの過剰摂取や薬・アルコールとの同時摂取は避けるなどの注意が必要です。基本情報を理解した上で、適量を飲むよう心がけてください。

エナジードリンクの開発・製造を検討する場合は、ぜひドリンクジャパンへの参加をご検討ください。



▶監修:伊藤 まゆ(いとう まゆ)

M’sクリニック南麻布 院長、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医

本当の美とは、心と体の健康あってこそ、という観点から、2007年開院時より、内外美容医療を提唱、実践。栄養学、予防医学、エイジングケア、美容について、多様な経験と多角的視点で取り組み、幅広い世代のサポートを行っている。



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