清涼飲料水とは?体に悪いって本当?定義や健康的な取り入れ方を解説
清涼飲料水を日頃からよく飲むものの、どのような飲み物を清涼飲料水と呼ぶのか、定義や種類を知らない方は多いかもしれません。
本記事では、清涼飲料水の定義や種類、「体に悪いのか?」という疑問にお答えします。清涼飲料水を健康的に取り入れるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
清涼飲料水とは?
そもそも清涼飲料水とはどのような飲み物なのでしょうか。はじめに、清涼飲料水の定義や種類、消費量を詳しく解説します。前提知識として、ぜひ覚えておきましょう。
清涼飲料水の定義
清涼飲料水というと、糖分が含まれたジュース類のイメージが強いかもしれませんが、実際の定義は違います。
食品衛生法によると、清涼飲料水は「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料をいう。濃縮ジュース等、飲用時に希釈するものも含まれる。」と定義されています※。
つまり、私たちが日頃飲んでいる飲み物は、ほとんどが清涼飲料水に分類されるということです。ただし、乳飲料や豆乳、または濃縮果汁などは清涼飲料水には含まれません。
清涼飲料水の大半はペットボトル飲料ですが、缶や紙パック、瓶に入ったものも販売されています。
清涼飲料水の種類
清涼飲料水は、酒類や乳製品以外の全ての飲料をさすため、種類が豊富です。一般社団法人 全国清涼飲料連合会によると、2023年の全商品数は6,598品であり、年々新商品も増加しています※。
ここで、いくつか代表的な清涼飲料水を紹介します。
- ミネラルウォーター類
- 炭酸飲料
- コーヒー飲料
- 野菜飲料
- ウーロン茶や緑茶などのお茶類
- スポーツ飲料
- 果実飲料
- 栄養ドリンク
- 機能性飲料
上記からもわかるように、清涼飲料水には炭酸飲料などのジュース類だけでなく、コーヒーやスポーツドリンク、ミネラルウォーター、お茶なども含まれます。それぞれの飲み物は、法律などによって細かく定義されているものもあります。
水の種類やその他の飲料については以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
▷関連記事:飲料に使う水の種類とは?定義や特徴を解説
清涼飲料水の消費量
一般社団法人全国清涼飲料連合会によると、1人あたりの清涼飲料水年間消費量の推移は以下のとおりです。
2023年の1人あたりの1日の消費量は512mlで、ペットボトルの飲料を約1本分飲んでいることになります。消費量は2020年から増加傾向にあり、毎年消費量は増加しています。今後も消費量は増えていくと予想されるでしょう。
清涼飲料水が体に悪いと言われる理由は?
「清涼飲料水は体に悪いのではないか」と疑問に思う方もいるかもしれません。続いて、清涼飲料水が体に悪いと言われる理由を3つ解説します。
- 糖分の過剰摂取になりやすいため
- ペットボトル症候群を発症する危険性があるため
- 胃腸に負担がかかる場合があるため
それぞれ詳しくみていきましょう。
糖分の過剰摂取になりやすいため
ジュースやスポーツ飲料などをはじめ、清涼飲料水のなかには糖分を多く含むものもあります。水分補給として日頃から糖分の多い清涼飲料水を飲んでいると、糖分の過剰摂取となり、糖尿病リスクの増加や肥満など健康に悪影響を与える可能性があります。
味付きのミネラルウォーターをはじめ、一見糖分が少なそうな飲料でも糖分を多く含んでいる可能性があるため、飲み物を選ぶ時は糖分の量をしっかり確認しましょう。
また、人工甘味料が使われている飲料も多くあります。人工甘味料はカロリーが少ないため一見健康的には見えますが、長期的な健康への影響については様々な議論があります。
ある調査では、人工甘味料が代謝や腸内細菌に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。現在の研究では「人工甘味料=身体に悪い」と断言はできませんが、一定数気にしている消費者がいることは事実です。これが、清涼飲料水が体に悪いと言われる由縁の1つです。
ペットボトル症候群につながる恐れがあるため
清涼飲料水のなかには、甘い炭酸飲料やジュース、スポーツドリンクなどがあります。糖分を多量に含む清涼飲料水を毎日のように飲んでいると高血糖状態になり、以下のような症状が出る場合があります。
- 倦怠感
- 腹痛
- 多尿
- 吐き気
- イライラ
- 著しい喉の渇き
これらのような症状が現れると、「ペットボトル症候群」を発症している危険性が高いです。ペットボトル症候群は、医学的には「清涼飲料水ケトーシス」や「ソフトドリンクケトーシス」と呼ばれ、悪化すると意識の低下や昏睡状態に陥るケースもあります。
胃腸に負担がかかる場合があるため
清涼飲料水のなかでも炭酸飲料の場合、飲む量が多いと胃腸に負担がかかる場合があります。
炭酸水を飲むことで消化機能を促すなどのメリットもありますが、胃の調子が悪い状態で多量に飲むと、かえって胃が痛くなったり胃もたれが悪化したりする可能性があるため注意してください。
また、炭酸によって胃が膨らむと満腹感も感じやすく、食欲の低下にもつながりやすいです。
健康的に清涼飲料水を取り入れるポイント
清涼飲料水の飲みすぎや糖分の摂りすぎは体に悪影響を与えかねませんが、正しく取り入れることで健康的に過ごせます。
続いて、健康的に清涼飲料水を取り入れるポイントを3つ紹介します。
- 日頃の水分補給は水やお茶で行う
- 成分表示を意識してチェックする
- カフェイン量を意識する
ポイントを把握して、清涼飲料水と上手に付き合いましょう。
日頃の水分補給は水やお茶で行う
私たち人間の水分必要量は1日に約2.5Lといわれ、このうち約1Lを食品から摂取、残りの約1.5Lを水分として摂取することが目安とされています。水分を5%失うと脱水症状や熱中症の発症、20%失うと命の危険もあるため、こまめな水分補給が大切です。
なお、糖分の多い飲料で水分補給をしようとすると、水分よりも糖類の摂取につながるため、日頃の水分補給は水やお茶で行うことがおすすめです。糖分が多い飲料を喉が渇いた状態で飲むと余計に喉が渇き、さらに水分を欲するという悪循環になります。
また、脱水症状の度合いによっては、ノンカフェイン飲料や、ナトリウムイオンなどの電解質が含まれる飲料の方が適切な場合もあります。
成分表示を意識してチェックする
さっぱりと飲める清涼飲料水でも、意外と多くの糖分が含まれているケースがあります。意識して成分表示をチェックし、何が含まれているか確認してから飲みましょう。
成分表示は、熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの順で表示されています。ナトリウムは食塩相当量で表示されている他、表示が推奨されている成分が記載されていることもあります。
なお、「ノンカロリー」「低カロリー」などの表示は栄養成分表示で規定があり、「ノンカロリー」「ノンシュガー」と記載があっても、必ずしもゼロではないため注意してください。詳しい規定は以下のとおりです。
出典:厚生労働省「生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット」をもとに表を作成。
※栄養成分表示では、糖類とは別に炭水化物の量を示すことになっています。糖類は単糖類(ブドウ糖・果糖など)と二糖類(砂糖・乳糖など)を指します。
無糖の炭酸水や無糖のお茶、無糖コーヒーなど、糖分が含まれていない清涼飲料水を選ぶと、カロリーや糖分を摂取しすぎる心配がありません。
カフェイン量を意識する
コーヒーやお茶、コーラなどの清涼飲料水に含まれるカフェインは、適度な摂取であれば集中力の向上や眠気覚ましなどの効果が期待できます。しかし、飲み過ぎは良くありません。
カフェインを過剰摂取すると、以下のような症状が出る可能性があります。
- めまい
- 不安症状
- 吐き気
- 不眠
- 興奮
エナジードリンクのなかには、コーヒーの倍以上のカフェインを含むものもあるため、摂取量に注意が必要です。カフェインを多く含む清涼飲料水で水分補給をしていると、カフェインの過剰摂取になる可能性があります。
カフェインを摂りすぎないように、水分補給はノンカフェインのお茶や水で行いましょう。
清涼飲料水に関する知識をより深めたいなら「ドリンクジャパン」へ
清涼飲料水に関する知識をより深めたいなら「ドリンクジャパン」への参加がおすすめです。ドリンクジャパンとは、多くの飲料業界関連企業が出展する、飲料・液状食品の開発・製造展です。
ドリンクジャパンには飲料や酒類を開発・製造するための技術が国内外から出展しており、実機やサンプルを見ながら出展社と話すことができます。企業の垣根を超えて人材交流ができる企画も開催されているため、参加することで飲料の開発・製造に必要な情報を広く得ることが可能です。
また、飲料の開発や製造に関わる企業の場合は、出展することで自社製品やサービスのPRができ、新規顧客の獲得につながりやすいです。
来場、出展ともにメリットがある展示会「ドリンクジャパン」への参加をぜひ検討してください。
清涼飲料水の定義を理解して水分補給に活用しよう
清涼飲料水は、食品衛生法で「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料」と定義されているものです。私たちが日頃飲む飲料のほとんどが、この清涼飲料水に分類されます。
なかには、糖分を多く含む飲料もあり、飲み過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性がある点に注意が必要です。商品に記載された成分表をしっかりとチェックし、各成分の摂取量目安を超えないようにしましょう。
なお、より清涼飲料水への知識を深めたい場合は、飲料に関する最新情報が得られる展示会「ドリンクジャパン」への来場もおすすめです。
■第9回 ドリンクジャパン
2024年11月20日(水)~22日(金)
▶監修:宮崎 政喜(みやざき まさき)
エムズファクトリー合同会社 代表 / 料理人兼フードコンサルタント
出身は岐阜県、10代続く農家のせがれとして生まれ、現在東京在住。プロの料理人であり食品加工のスペシャリスト。また中小企業への経営指導、食の専門家講師も務めるフードコンサルタントでもある。飲食店舗・加工施設の開業支援は200店舗以上。料理人としてはイタリアトスカーナ州2星店『ristorante DA CAINO』出身。昨今、市町村や各機関からの依頼にて道の駅やアンテナショップも数多く手掛ける。今まで開発してきた食品は1000品目を越え、商品企画、レシピ開発、製造指導、販路開拓まで支援を日々実施している。
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